コラムCOLUMN
前回の9月のコラムでは、この時期によくある症状やその治療に使われる代表的な漢方薬、そして、養生などについて簡単に話をさせて頂きました。加えて秋は、いろんな「アレルギー」の症状があらわれやすい季節でもあります。
今回は、そんな秋に増えるいくつかのアレルギーについて、少し話をしてみたいと思います。
そもそもアレルギーとは
「アレルギー」とは大まかに言えば、〝普段は体に大きな害を与えることのない物質に対し、過剰な免疫反応を起こしてしまうこと″、あるいは、〝特定の物質や状況に対して、過敏な反応を示す状態のこと″を指しています。
また、「アレルギー」は1つの病気の名前というわけではなくて、こうした免疫反応の異常によって発生する、様々な症状や病気の総称でもあります。近年では、みなさんもよくご存じのとおり、〝ある物事に対しての、精神的な拒絶反応″といった意味合いの言葉としても頻繁に使われています。
秋に増加するアレルギー疾患
今の季節に増えてくる、または、悪化しやすくなるアレルギーの症状には、次のようなものがあります。
◆『秋の花粉アレルギー』
いますが、秋もまた、花粉へのアレルギーがあらわれやすい時期となります。春はスギやヒノキといった、よく知られている花粉が中心となって、症状を引き起こすのに対して、秋はブタクサやヨモギ、カナムグラ等の花粉の飛散が症状の原因となります。これらの植物はどれも、自宅の庭や道端、河川敷などの身近な草むらに生息しているものがほとんどで、春に花粉が飛ぶスギやヒノキの樹木と比べ、高さがかなり低い位置にあるため、その飛散する距離は長くても数十メートルほどと言われています。
しかしながら、どこにでも生えている植物なので、気がつかないうちに近づいて、その花粉に反応してアレルギーを起こす可能性も高いため、よく観察しておくことが大切です。さらに、秋の花粉は、春の花粉より粒子が小さく、より身体の奥まで入り込みやすい特徴を持っており、気管支などに貼りついて、喉のかゆみや咳を引き起こすケースも多々あります。
花粉症の予防や対策に関しては、2月に書いた記事も参考にして頂ければと思います。
《関連記事》「花粉症はなぜ起こる?その原因と特徴、そして対策について」
◆『ダニなどのハウスダストによるアレルギー』
夏の期間に成虫に育ち、繁殖したダニは、秋にはいっせいに死骸となって、ダニのフンなどとともに乾燥して、細かく粉々になり空気中に舞い上がり、呼吸により人の体内に入り込むことで、鼻や喉、皮膚などにアレルギーの症状を引き起こす原因となってしまいます。ダニの死骸やフンは、花粉よりもやや直径が小さいため、さらに体の奥まで侵入して、より強いアレルギーの症状や、長引く症状を起こしてしまうこともあります。
こうしたダニは、いわゆる「ハウスダスト」の中でも、最もアレルギーの原因になりやすいものの一つなのですが、他にもカビや菌、昆虫やペットの毛などでも同様のことが言えます。
因みに、どちらもアレルギーの要因となり得る「ほこり」と「ハウスダスト」の違いは、目に見えるもの(砂ぼこりや黄砂など)と、見えないもののイメージで捉えるといいようです。花粉や黄砂、PM2.5等の飛散にも気をつけながら、こまめな換気と、お部屋全体、そして家具や寝具などの、定期的な清掃を心掛けましょう。
◆『アレルギー反応による喘息(ぜんそく)』
先に述べた、花粉やダニなどのハウスダストが、気管支に付着してアレルギー反応を起こし、気道に慢性的な炎症が生じることで、この季節は「喘息」の発作を起こす人が増えてきます。おまけに秋は、朝晩の温度の変化が激しい上に、自律神経に変調をきたしやすい時期なので、喘息の症状が悪化しやすくなります。
この喘息には、気管支が狭くなり、ヒューヒューやゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)を伴って呼吸が苦しくなる「気管支喘息」と、ほとんど咳のみの症状であらわれる「咳喘息」があり、強い症状が出る日もあれば全く出ない日もあるという期間を繰り返したり、寝る前や夜中、朝方に、よく発作が出るという傾向がみられます。
また、こうした喘息の原因となる、アレルギー物質の特定は、かなり難しい場合もあります。
中にはアレルギーの原因物質が存在しないものも
その他にも、昼夜の温度差が7℃以上ある時に起こりやすいと言われている、アレルギーの原因物質が存在しない「寒暖差アレルギー(別名は血管運動性鼻炎)」や「寒冷じんましん」、外気の乾燥で皮膚内の水分含有量やバリア機能が低下して起こりやすくなる「アトピー性皮膚炎」などが、秋に増えてくるアレルギー疾患の一つとしてあげられます。
それぞれの体質に応じた漢方薬などの活用で、早めに症状の改善をはかるとともに、十分な睡眠を第一に規則正しい生活を行って、常に体を冷やさないように努めて行動しましょう。
★カウンセリングについて★
気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。
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(株) 大賀薬局ライフストリーム 漢方カウンセリング (担当) 梅川
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