コラムCOLUMN
この時期、最も気をつけなければならないことの一つに、朝晩の冷え込みと昼間の暖かさによる、「寒暖差」が原因で起こる症状があります。
1日の中で気温の変化が7℃以上あったり、やや暖かい日と寒い日が交互にやってき来たりすると、体温の調節を行う自律神経のバランスが乱れがちになるため、体には色んな症状があらわれやすくなります。
特に、春や秋などの季節の変わり目に、こうした寒暖差による症状は起こりやすいのですが、暖かくなる方に向かう春に比べ、寒くなる方に向かう秋のほうが、冷えによる症状が、やや強くあらわれる傾向にあると言われています。
以下には、その寒暖差によって起こりやすくなる症状を、いくつかあげてみたいと思います。
寒暖差の影響で起こりやすい症状
◆『寒暖差アレルギー』
寒暖差アレルギーとは、正確に言うとアレルギーではなく、アレルギー性鼻炎と似たような症状を起こす「血管運動性鼻炎」のことを言いあらわしています。
「アレルギー性鼻炎」は、体に入ってきたアレルギー物質への免疫反応により起こる病気なのですが、「寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)」は、寒暖差の刺激に、鼻の知覚神経や副交感神経が直接反射して、くしゃみや鼻水などの症状を起こす、全く違う病気になります。
病院で検査をしてもアレルギー反応が出ず、薬も効きにくく、目のかゆみや熱っぽさもなく、この時期に特に、薄いサラサラの鼻水などが目立つようなら、寒暖差アレルギーの可能性が大いに疑われます。
◆『寒冷蕁麻疹』
「寒冷蕁麻疹」は、気温の差が激しいタイミングで出やすいため、寒暖差アレルギーとして取り扱われる部分もありますが、ここでは、あえて分けて解釈して話をしたいと思います。
寒冷蕁麻疹とは、暖かい環境から急に冷えた環境に移った時や、寒い日に汗をかいたままでいた時、冷水で手を洗った時などに、その寒冷刺激によって、皮膚に赤く盛り上がった発疹ができた状態のことであり、やや強い痒みやチクチクした感じを伴うこともあります。
局所的(部分的)に出るものがほとんどで、時間とともに消失していき、跡も残りませんが、まれに再び刺激を受けることで、繰り返しあらわれることもあります。
発症のメカニズムについては、まだ詳しく解明されていませんが、何らかのアレルギー反応の異常が関わっているのではないかと言われており、抗ヒスタミン薬等による症状の軽減が期待でき、その対処法は何よりも温めることが一番だとされています。
◆『寒暖差疲労』
自律神経は、寒い時には「交感神経」が活発に働き、血管や筋肉を収縮して体温を上げ、暖かい時には「副交感神経」が活発になり、血管や筋肉を緩めて体温を下げようとします。
1日の気温差が激しくなると、この自律神経が、過剰に働き過ぎてバランスを崩してしまい、体のエネルギーも大きく消耗してしまうため、めまいや疲労感に加え、筋肉や関節の痛み、冷えによる症状などが起こりやすくなってきます。
◆『胃腸の不調』
胃腸の働きをコントロールしている自律神経の機能が、寒暖差の影響により乱れやすくなることで、胃や腸のぜん動運動に異常が起こり、胃もたれや吐き気、便秘や下痢などの症状が起こりやすくなります。
そしてさらには、胃を守る粘液の分泌が低下したり、胃酸が出すぎたりすることもあるため、胸やけや胃の痛みなどもあらわれ出してきます。
秋で食欲は旺盛なのに、胃腸の調子は優れないのは、この寒暖差によるものかもしれません。
◆『睡眠の不調、日中の強い眠気』
寒暖差による自律神経の乱れは、本来、夜に体を緩めて睡眠へと導く「副交感神経」が優位になる状態を、不安定にさせてしまい、なかなか寝つけなかったり、すぐに目が覚めてしまうといった現象を、頻繁に引き起こしてしまいます。
重ねて秋から冬にかけては、寒暖差に対する体温調節に、自律神経が過剰反応したり、日照時間の減少で、精神や睡眠を保つ脳内物質の「セロトニン」の分泌が低下したりすることで、
睡眠の質の低下や、日中の極度な眠気などを感じやすくなります。
(※因みにセロトニンは、夜に睡眠を整えるメラトニンの元となる物質です)
日頃からの備えと対処法
この時期の、こうした急な寒暖差が原因で起こる、様々な症状への対策としては、既にご存知のことばかりかも知れませんが、改めて、外出時には気温の変化に対する服装の準備を怠らず、冷たい物を控えたバランスの良い食事をとり、なるべく外の光を浴びるなどして適度な運動を行い、日頃から自律神経のバランスが乱れにくい体づくりに取り組んでいくことが大切です。
それでも、気温の変化が激しい時は、いつも体調を崩しやすく、不安になるという方には、自律神経を整え、それぞれの症状の予防や改善に働きかける漢方薬などを、うまく活用してみることをおすすめします。
それから、寝不足で不規則な生活が続いている人には、もちろん十分な睡眠が必要になるのですが、この時期に眠いからといって長時間寝過ぎてしまうのは、体内時計のリズムが乱れ、かえって不調を招くことになるので気をつけましょう。寝過ぎは、肺にも負担がかかるため、この季節に多い喘息や咳の症状の引き金にもなってしまいます。
普段はなかなかできなくても、せめてこの時期だけでも、早寝早起きに努めてみることが、自律神経の乱れを防ぐ、一番の良薬になるかもしれません。
★カウンセリングについて★
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(株) 大賀薬局ライフストリーム 漢方カウンセリング (担当) 梅川
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