コラムCOLUMN
今年は新型コロナウイルスの感染予防対策の効果が功を奏しているのか、インフルエンザの感染者数が例年と比べて少ないようです。海外から持ち込まれるインフルエンザウイルスの数自体が減少していることも影響しているかと思われます。
この様な背景もあり、新型コロナの感染リスクの観点からもインフルエンザの予防接種を受ける事をためらわれる方も多いのではないかと思います。
正直この冬のインフルエンザの流行がどれだけ深刻なものになるかは誰にも分かりません。
しかし厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の流行が懸念される中、この冬にインフルエンザワクチンの重要が高まる可能性がある。として過去5年で最大量の約6300万人分のワクチンを供給予定していることを発表しました。
予防接種の重要性が高まる状況とは?
つまり新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスが重なって流行する事で、医療崩壊が起こることに他ならないでしょう。
どちらの感染症も空気が乾燥する冬に流行し、インフルエンザと新型コロナ、どちらも発症した際に現れる症状は非常に似ているため、検査でしか判別出来ません。
その時インフルエンザの迅速検査キットは10〜15分で終わりますが、新型コロナのPCR検査は数時間を要します。
新型コロナとインフルエンザの同時感染?
中国・武漢大学人民病院が2月に公開した調査結果によると武漢の新型コロナ感染者104人のうち数人がインフルエンザにも同時感染していたことが報告されていたそうです。
また日本でも厚生労働省から、全てを把握しているわけではないが、併発していた症例があったとのことです。
同時感染の可能性や、症状がよく似ている事から、基本的に『新型コロナウイルス感染』の疑いを持っての診察となるため、医療機関での対応は従来の対応と大きく異なってくると思います。
そこで次にあげるインフルエンザの予防接種の役割を再認識し、コロナ禍における予防接種の判断に役立てて下さい。
まず、インフルエンザ予防接種の最大の誤解について知っておきましょう。『感染自体を防ぐためのものではない』という事です。
予防接種の2つの役割?
1.発症を抑える役割
予防接種を受け、事前に免疫を獲得する事でその後インフルエンザウイルスに感染した際の発症を防ぎます。
2.重症化を防ぐ役割
小児はインフルエンザ脳症、高齢者は肺炎へ移行するリスク等があり、年間の死亡者数は平均して約3万人にのぼります。
予防接種は100%感染を防ぐものではありませんが、これらの発症や重症化を防ぎ、軽症に留める効果が期待されます。
感染対策を取りながら予防接種を受けてください
厚労省は高齢者に対し10月中の接種を推奨しています。それ以外の方々は原則10月26日以降の接種となるようです。また全国の自治体がインフルエンザの予防接種費用の助成対象を広げています。自己負担額を軽くすることで、重症化するリスクが比較的高い人の予防接種を促し、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行による医療の逼迫を防ぐためです。
現在、実施医療機関では予防接種の予約が殺到しているため、今後一時的に予約が取れなくなる可能性もあるとのこと。今年は十分な量の供給がされるので慌てず感染症対策を取りながら予防接種を受けて下さい。
コロナ禍の状況で、インフルエンザだけでなく、他の様々な疾患への対応が遅れる事で被害が拡大する可能性があります。自身と自身の周りの感染リスクを減らしていく事が今年は特に必要です。その選択肢の一つとして予防接種があります。
いつもは「予防接種なんて」と思っていた方も、今年は改めて考えてみてください。台風などの災害と同じで備えておく必要があるのではないでしょうか?
一人一人の感染症対策のレベルを一段階あげて。いつもと異なる今年の冬を乗り切りましょう!
最後にコロナを含めインフルエンザの事などわからない事がありましたら薬局に気軽にご相談ください。少しでも地域の皆様の悩みや不安を解消するお手伝いができれば幸いです!
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