コラムCOLUMN
2020年6月16日、九州大学などの研究チームの発表によると歯周病菌が体内に侵入することで、認知症の原因物質が脳に蓄積して記憶障害が起きる仕組みが解明されました。
歯周病と認知症が相関しているという事を聞き、驚かれた方も多いのではないでしょうか?
厚生労働省の2015年の発表によると高齢化が更に進むにつれ認知症患者数は増加し2025年には約700万人となり、65歳以上の5人に1人を占めると推計されています。
認知症にもタイプがあり、約7割が「アルツハイマー型認知症」と言われます。このアルツハイマー型に特徴的な原因の一つに「老人斑」という脳のシミがあり、今回この老人斑が歯周病原因菌から作られていることがわかったのです。今後更に研究が進み、認知症の治療や対策への期待が高まります。
歯周病について知ろう!
ところで、みなさんは歯周病という病気をご存知ですか?
虫歯は歯そのものが蝕まれる病気に対し、歯周病は口の中の細菌によって歯ぐきに炎症が起こり、最終的に歯を支える骨が壊されていく病気になります。
歯周病は生活習慣病としても位置づけられており、自身で気づかない人や未治療の人を含めると全国民の約7割もの人が歯周病を抱えていると言われています。
これだけ多くの人がかかる歯周病もこれまでは口の中だけの病気と考えられてきましたが、糖尿病、心臓病、動脈硬化、骨粗鬆症、冒頭にあげた認知症など、多くの病気との関連性がわかってきています。
これは、逆に言えば歯周病の予防や治療を行う事で関連する疾患等への予防や改善策にも繋がるということです。
歯周病は待ってくれない!?
しかしながら歯周病の厄介な点は痛みや腫れなどの自覚症状がほとんど無いまま病気が進行するところです。そのため、知らず知らずのうちに進行してしまい、気付いた頃には手遅れになるケースも少なくないです。
歯周病になってしまうと風邪などの感染症のように自然治癒することがありません。そのため日々のブラッシングはもちろんのとこですが、歯科に定期的にかかり、早期発見、早期治療が重要となってきます。
かかりつけの重要性
かかりつけの歯科医を持ち、定期的に診て頂いている方がどれ程おられるのでしょうか?
診察を受けに行く暇がない働き世代ほど、定期的な受診は難しいのが実際のところだと思います。しかしこの世代から歯周病が急増し、年齢が上がるにつれて症状も進んでいきます。
自身のかかりつけ歯科医を見つけ、定期的にメンテナンスを行うことが本当に重要なのです。
口は栄養摂取の大切な入り口であると同時に食べる楽しみや喜びを感じる器官で、口の健康は心と体の健康に繋がります。一方でひとたび痛みや違和感が生まれるとそれと連動して様々な不調に繋がります。その歯周病に留まらず、口の健康のことを今一度考えてみてはいかがでしょうか?
日本は世界屈指の長寿国です。ただの長寿ではなく、いつまでも健康かつ元気な生活を送るためには、一人一人が病気に対する知識をつけ、それぞれに適した健康を保っていく必要があります。しかし何事も一人では限界があります。信頼できる様々な分野の『かかりつけ』を健康のサポーター・アドバイザーとして活用していくことが健康維持増進のコツになるのだと私は考えます。
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