コラムCOLUMN
ストレスと食生活
ストレスは学校や職場での人間関係、経済的問題、家庭内問題など人それぞれ違います。ストレスをため込んで自分や周りの人を傷つけてしまうことが無いように、自分の生活を振り返ってみませんか?ストレスの原因の一つに偏った食生活があげられます。知らないうちに食生活が乱れて、心の元気が無くなっているかもしれません。
今回のコラムでは管理栄養士目線でのメンタルヘルスと食事の重要性について皆様にお伝えできればと思います。近年、食事によるストレスの改善が注目されており、食の欧米化や、加工食品摂取量の増加、野菜の摂取不足がメンタルヘルス不調につながるという報告があります。メンタルヘルスとは精神面の健康のことで、毎日の食事を工夫することで自分や大切なご家族の精神を健康に保つことができます。
精神面の健康を助けるホルモン「セロトニン」
それではどのような食事がメンタルヘルスに良い働きをするのか一緒に考えていきましょう。精神面の健康を助けるホルモンに「セロトニン」という物質があります。セロトニンは幸せホルモンといわれている神経伝達物質で、感情のコントロールと深く関わっており、精神を安定させる働きがあります。不足するとストレスを感じやすくなり、何をするにもやる気がおきなかったり、イライラしやすくなったりと、メンタル不調が表れやすくなってしまいます。
セロトニンは脳内で必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」から作られます。トリプトファンは体内で作ることができない為、食事からとる必要があり、魚・肉・大豆製品・乳製品・卵・ナッツ・バナナに多く含まれます。さらにトリプトファンからセロトニンを合成するときにはビタミンB6が必要になります。ビタミンB6は玄米・豚肉・にんにく・しょうが・青魚のサンマ・イワシなどに多く含まれます。また炭水化物はトリプトファンが脳内に取り込まれるのを助ける働きがあり、雑穀・イモ類・果物に含まれます。
特におすすめの食材は、トリプトファン・ビタミンB6、炭水化物の全てを含んでいるバナナです。調理なしで簡単に食べられるので、朝食や間食で食べてみてはいかがでしょうか。
簡単なおすすめメニューとして
・玄米ごはん
・イワシのチーズパン粉焼き
・アボカドチーズトースト
は、いかがでしょうか。
イワシのチーズパン粉焼きは、イワシを準備して頂き、身を上にして粉チーズ・大葉を乗せて頭の方から巻き、爪楊枝で刺し、オリーブオイル、パン粉をかけてオーブン200℃で20分焼くだけのチーズパン粉焼きで、トリプトファンとビタミンB6を摂ることが出来ます。
アボカドチーズトーストは、小麦麦芽のパンにアボガド・チーズを乗せて焼いて食べて頂くのもトリプトファン・ビタミンB6・炭水化物を摂ることができる手軽なメニューです。
食材の美味しさを味わうことは精神の健康に効果的
このような食材を積極的に摂ることに加えて、「ウォーキング」「ランニング」など一定のリズムを刻む運動や、電話やメール、SNSを利用して人とコミュニケーションを取ることもセロトニンの分泌を促します。
また、孤食(一人で食事を摂ること)は健康意識が低下しやすくなってしまいますが、今はみんなで集まって食事、というわけにもいきませんので、インスタグラムやツイッター、ご家族、お友達へのSNSなどに食事内容をアップするのはいかがでしょうか。そうすることで、食事選びに張り合いがでたり、共感してもらったりなど、孤食のマイナスを補うことができます。食に対する意識も高まるので、楽しみを感じながら、自分に出来ることで健康的な食生活を送っていきましょう。人との関わりをもちながら、食材の美味しさを味わうことは精神の健康に大変効果的です。食生活を整えて良好な精神状態で充実した毎日を過ごしていきましょう。
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