コラムCOLUMN
10月は運動会、ハロウィンと楽しいイベントが待っている方も多いのではないでしょうか。
運動会ではお弁当、ハロウィンはホームパーティーも楽しみですよね。
安全で快適にイベントを楽しむためには、衛生面に気を配ることも非常に重要となります。
衛生面で気を付けたいことの一つである食中毒は、食べ物が傷みやすくなる暑い夏や、ノロウイルスが猛威を振るう冬に、発生件数が多くなるイメージが強いかもしれません。
しかし、年間を通じて食中毒の発生件数を見ると、最も多く発生している月は10月だということをご存知でしょうか。
過去5年間(2019〜2023年)の月別平均発生件数は10月が最多でした。
(出典:厚生労働省の統計「食中毒発生状況」)
そこで、今回は管理栄養士の視点から、お食事における衛生面の注意点をまとめてみました。
楽しいイベントの思い出を、『体調が…』と大変な記憶で塗り替えられないよう、気を付けるべきポイントを一緒にチェックしていきましょう。
1. 手洗いの徹底
コロナ禍における感染症予防の経験もあり、常日頃から意識高く実践されている方も多いとは思いますが、おさらいです。
手洗いの方法によって、手に残るウイルスの数がどれほど違ってくるか、ご存知でしょうか。
手を洗う前に100万個のウイルスが手についていると仮定した場合、流水で15秒洗うと約1%の10000個、1/100になっています。
ハンドソープで10秒もみ洗いして流水で15秒すすぐと0.01%まで少なくなっていますね。また、ハンドソープで手を洗う方は多いと思いますが、石鹸のぬめりが取れたらすすぎを終えてしまっていませんか?
すすぎを2回すると、手のひらについた菌が約数個にまで減らせるため、今からの季節は特に実践していきたいですね!
こちらの画像は、左から、手を洗う前の手、水だけで洗った手、石鹸で洗った手、それぞれについている細菌を培養したものを写しています。
こうして見ると、目に見える汚れがついていなくても、ハンドソープを使ってしっかりと手を洗いたくなりますよね!
因みに、アルコールスプレーを活用される場合は、乾いた手にスプレーをするようにしましょう。
こちらの画像では1.の手洗いのみと2.濡れた手にアルコールスプレーをしたものでは菌の数に大きな違いが無いように見え、3.の乾いた手にスプレーをした場合、菌がほとんど残っていないことが分かります。
これは、消毒用アルコールが効果を発揮する濃度が決まっているので、濡れたままの手に消毒用アルコールを付けるとアルコール濃度が薄まってしまい、効果が下がってしまうことを示しています。
手についた菌を身体に取り込んでしまわないよう、ハンドソープを使って手を洗い、きれいなタオルなどでしっかりと手を乾かしてから、アルコールスプレーで消毒できると安心ですね!
2.調理前の準備
続いて、食材の準備で気を付けたい事についてご紹介いたします。
皆さまは普段、野菜をどのように洗っていますか?
A.流水で洗う
B.溜めた水で洗う
C:洗剤で洗う
食中毒予防の観点からおすすめする方法は、Aです。
Bの方法では、溜め水に落ちた菌が洗っている野菜に再び付着する可能性があるため、おすすめできません。
今の日本では、泥や寄生虫の卵などが野菜に付着していることはほぼありませんが、農薬が気になる場合はCもおすすめです。
野菜を洗える洗剤も販売されていますので、ご参考になれば幸いです。
また、包丁やまな板は野菜用と肉・魚用と、用途別に2つは準備できると安心ですね。
これらの道具には食材が直接触れるため、食材に付いている菌が付着してしまいます。
包丁を使い回す際には、菌の少ない野菜や果物を切ってから肉や魚を切ると、包丁に付いた菌が別の食材に移ることを防ぎやすくなりますよ。
しかし、まな板を1つしか使えない場合もあるかと思います。
そういう場合はまな板の上に敷く、まな板シートという便利グッズもあります。
必要な大きさにシートを切って、使い終わったら捨てるだけなので洗い物不要!
1つ持っておけばアウトドアや災害時にも役立ちます。
3. 食品の衛生管理
お弁当やホームパーティーでは、普段の食事と違い、出来上がってから食べるまでの時間が空くことも多く、その間の菌の増殖が心配です。
そのため、新鮮な食材を使用し、調理の際は十分に火を通すことが重要となります。
お弁当を作る際は、生ものや水分の多い食材は避け、揚げ物や焼き物など、比較的腐りにくい食材を選びましょう。
特に肉や魚は生食を避けるか、適切に加熱します。
病院や施設などでは、中心温度75℃で1分以上の加熱を徹底することで、食中毒予防に努めています。
(ほとんどの病原体は、中心温度75℃で1分以上の加熱を受けると不活性化するデータがあるためです)
調理施設ではこのような温度計を使って、いろいろな食材の中心温度を必ず確認しています。
ご家庭で、中心温度が75℃で1分以上加熱できたか確認したい場合は、
お肉の場合:ピンク色の部分が見えなくなる
お魚の場合:簡単に骨から身がはがれる
という状態を目安にするのもおすすめですよ。
4. お弁当の詰め方
最後に、お弁当を詰める際のポイントをご紹介いたします。
1.清潔な容器を使用:お弁当箱や仕切りカップは使用前に消毒、乾燥して、清潔な状態で使いましょう。
2.詰めるのは冷ましてから:料理は冷めてから入れましょう。
菌が増殖しやすい温度帯は10~60℃です。
3.水分を抑える:煮物やサラダなど水分が多い料理は避け、汁気をしっかり切り、キッチンペーパー等で水分を取ってお弁当に詰めます。
水分が多いと菌が繁殖しやすくなります。
10月はまだまだ気温が高い日も多いため、上記の事を徹底しても、心配は尽きませんよね。
そこで、さらに予防に力を入れたい、という方は、お弁当箱に入れる抗菌シートを活用してみてはいかがでしょうか。
また、食べ物に直接吹きかけても安心・安全な除菌剤も出ています。
〈パストリーゼ77〉
アルコールのほかに高純度のカテキンを配合することで、アルコールが蒸発した後も抗菌効果を維持し続けることができます。
食材そのものだけではなく、お弁当箱やまな板の除菌・抗菌など、幅広く使えて便利です。
これらのアイテムを上手に使いながら、食中毒を予防して、安心してイベントを楽しみましょう!
参考URL:
https://www.city.sakai.lg.jp/kenko/shokuhineisei/shokuchudokuyobo/tearai.html
https://shokusen.jp/ethanol.html
https://shop.dover.co.jp/#pasteuriser
執筆者名:松﨑 結、當山 桃、向井原 くるみ、鷹尾 有紀
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