コラムCOLUMN
お店では冬になって、冷えに関するご相談や、対策グッズのお尋ねが増えてきました。
誰もが冬という季節に、全く冷えを感じない体にすることは不可能ですが、慢性的な冷えに悩む人が、その場しのぎの対策だけでなく、冷えにくい体への根本的な改善を図ることは、色んな病気を防ぐ上でも、たいへん重要なことだと思われます。
冷え症は様々な病気を起こす引き金となります。
体の一部に冷えを強く感じる人
最近では、冷え症の相談の中でも、お尻や腰の一部など、部分的に強く冷えを感じている方の話を、よく伺うことがあります。
こうした部分に、特に冷えを感じる要因には、以下のようなことが考えられます。
◆『骨盤のズレや歪み』
日頃の姿勢の悪さなどがきっかけで、骨盤にズレや歪みが生じると、骨盤の中やそばにあり、血流を調整する「自律神経」が圧迫され流れが滞り、お尻や腰の付近に冷えを生じてしまう。
◆『座りっぱなしで運動不足ぎみ』
臀部の周辺は、細かい毛細血管が多く、デスクワークなどで座りっぱなしが続いたりすると、その細い血管を長く圧迫してしまうことになり、血流が滞り、他の部分より冷えやすくなる。
◆『脂肪がつきやすいところ』
脂肪には冷えやすく暖まりにくい性質があるため、お尻やおなか回りや二の腕などの、脂肪がつきやすい、または増えやすい部分には、冷えの症状が起こりがちになる。
◆『筋肉量の減少』
加齢や運動不足等で筋肉量が減少すると、筋肉の熱を生み出す力が低下し、冷えやすくなる。そのため筋肉の減少があらわれやすいお尻や足などには、特に冷えを感じやすくなる。
◆『腎系統の弱り』
寒さや疲れや加齢などの影響により、熱産生も行う「腎系統」の働きが弱くなってしまうと、その周りの部分の血流も低下してしまい、お尻や腰に冷えがあらわれやすくなる。
その他にも、おなかを触ると何処か一部に、かなり冷たい所があったりすると、体温の調節を行っている「自律神経の乱れ」が、その要因となっている可能性もあります。
また、冷えには、脂質代謝の異常で動脈硬化が進行し、血液循環が滞り、体の一部が冷えるなど、大きな病気が潜んでいる場合も考えられるので、違和感のある冷えが続くようなら、できるだけ早めに医療機関に行って受診して下さい。
冷える部分や原因で漢方を使い分ける
冷えの原因に働きかけて、症状の軽減や緩和をはかるのに効果的なのが〝漢方薬″です。
四肢の冷えを中心とした冷え症の改善で、最もポピュラーな漢方薬に、少し名前が長いですが「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」というものがあります。
病院などでは冷え症のファーストチョイスとして、よく選ばれる処方ですが、特に手足など末端の部分の冷えに効果的です。
またさらに、漢方相談のできる専門薬局などでは、いつも体のどの部分が冷えやすいか、冷えると合わせてどんな症状があらわれるか等を参考にして、処方の選択を進めていきます。
たとえば、ごく一例を上げるとすれば、おなかが冷えて下痢をしやすい人だと「人参湯」や「六君子湯」や「大建中湯」、下半身が冷えるのに上半身はのぼせ気味で血行不良がちなら「桂枝茯苓丸」、そして、お尻や腰などが部分的に強く冷えて、トイレも近くなりがちなら「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」に「附子」の製剤をプラスする等々....。
加えてたくさんの冷えに関する情報を頂くことで、それに合わせて漢方薬の選定を行っていきます
冷えの原因は体質によって異なる
これから、ますます寒くなる時期に突入していきます。
冷え症が起こる原因は、ひとりひとりの体質によって、それぞれ異なってきますし、また、その冷え方や強さも様々です。
最後に以前に2度ほど、このコラムにて、冷え症の原因に関する内容について、簡単に執筆させて頂いた記事がありますので、ご一読の上、今後の対策の参考にして頂ければ幸いです。
関連記事 《2020.11.1投稿》 『その冷え、気になっていませんか?〝冷えは万病のもと″』
https://www.ohga-ph.com/column/detail/?cms_id=221&people=1
《2021.12.23投稿》 『近ごろ体調に波を感じやすい…。それは「隠れ冷え症」が原因かも』
http://www.ohga-ph.com/column/detail/?cms_id=432&people=1
★カウンセリングについて★
気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。
さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。
あなたのこれからの過ごし方が変わってくるかもしれません。
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(株) 大賀薬局ライフストリーム 漢方カウンセリング (担当) 梅川
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