コラムCOLUMN

2023.10.20“今は絶対に風邪を引けない”という時のとるべき予防策

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

0

4

“今は絶対に風邪を引けない”という時のとるべき予防策

昼間はまだ、日差しが暑く感じる日もありますが、夜はずいぶんと肌寒くなってきました。

今は、こういった1日の寒暖差による影響で、かなり体調を崩しやすい時期でもあります。

こんな時に、いや、この時期に限らず、皆さんも一度は、「近々、大事な予定が入っていて、今は絶対に風邪を引けない」と、不安になったことはありませんか?

軽い頭痛や腹痛、ちょっとしたケガなどなら、市販薬で対処して、何とかその日を乗り切ることができるかもしれませんが、もし、風邪を引いてしまい、当日がピークだったりすると、とてもそれどころではなくなりますよね。

仕事での重要な会議や研修、プライベートで楽しみにしてた旅行やイベント等々、以前から準備や計画をしていたことも、全て台無しになってしまいます。

そうならないための効果的な対策について、今回は少し考えてみたいと思います。



まずは基本的な対策ですが


すでにご周知のこととは思いますが、まず何よりも、風邪に対しての抵抗力を上げるために、普段からとるべき行動としては

・何事も無理をせず、十分な睡眠時間をとり、疲れがたまっていれば、必ず休養を心掛ける。

・常に体を「冷え」にさらさない。加えて乾燥などを感じていれば、しっかり保湿ができる状況をつくる。

・座りっぱなしなどで血行不良にならないように、日々、適度に体を動かして、ストレスがたまった時には、自分なりの解消法や、緩和できる方法を見つけておく。


などといったことが主にあげられます。

こうした行動は、本来の体が持っている免疫力や自然治癒力を、きちんと機能させるための大事な取り組みとなりますので、この寒暖差の激しい時期には、改めて意識して生活するとよいでしょう。

また、風邪や感染症のウイルスの中には、手指消毒用のアルコール液では効果が見られないものも多いため、石けん等でしっかり手を洗うことも習慣づけておきましょう。





漢方を上手に使う


さらに、「漢方薬」を上手に活用することも効果的です。

風邪などの感染症の予防や対策の分野は、漢方が最も得意とする領域の一つです。

一般的な市販の総合感冒薬などの、「西洋薬」の場合は、熱や咳、鼻水等の、今あらわれている症状をしっかりと抑えて緩和していく、〝対症療法″が中心となり、病院を受診した際でも、ほぼ同様の観点から薬が処方されます。

それに対して「漢方薬」の場合は、一人一人の体質や、色んな風邪のタイプに合わせ、様々な生薬を配合した処方により、免疫力や抵抗力を向上させて、〝予防や根本治療″の観点を中心に、アプローチをしていきます。

加えて漢方薬には、食欲不振や下痢、倦怠感など、風邪に伴う体の不調も改善してくれるという特徴があります。








葛根湯だけじゃない!風邪薬の漢方薬とは


風邪の漢方と言えば、まず真っ先に思い浮かぶのが、最も有名な「葛根湯」だと思いますが、全ての人の、全てのタイプの風邪に、葛根湯を使えばよいわけではありません。

風邪対策の漢方薬の、使い分けのポイントを簡単にまとめてみると、以下のようになります。

「葛根湯」は、風邪の引きはじめに最も多い、ゾクッとするような〝寒気″を感じた時に、すばやく飲むと効果的な処方です。

寒気がやや強くて少し熱も高く、体の節々の痛み(関節痛)もあり、咳も目立つといった場合には「麻黄湯」が適しています。

また、日頃から冷え症で、特に足腰が冷えやすくて、体力がなく、風邪を引くと体の芯から冷えた感覚になる人には「麻黄附子細辛湯」、水っぽい痰や鼻水が出て、風邪を引くと顔が
むくみがちな人には「小青竜湯」が適しています。

一方で、寒気はさほどなくて、喉の痛みが強くて腫れやすく、熱が上がりやすいタイプには「銀翹散」や「駆風解毒湯」といった処方が適しています。

その他にも、ここには書き切れないほど、風邪対策にはたくさんの漢方薬が存在します。

ドラッグストアなどで、風邪には葛根湯と思い、安易に選んでしまうと、かえって体調が優れなくなったり、先に述べた漢方薬などが、体質には合わないことも多々あるので、購入の際には、専門家に自分のタイプをしっかりと伝えて、薬を選んでもらうことが大切です。


それから、近々大事な予定があるからと言って、まだ全く風邪の兆候すらあらわれていないのに、予防のために、上記のような漢方薬を毎日飲み続けたりすると、体のバランスが乱れ、体調を崩してしまうケースも多く見られます。

日々の備えとしては、免疫機能の活性や、生体防御反応を高める、〝人参″や〝黄耆″等の生薬を含む、「補中益気湯」「十全大補湯」「人参養栄湯」などの補剤系の漢方薬を、いつもきちんと飲んでおくことが、風邪や感染症の予防には適していると考えられます。





風邪をひきそうな気がしたら


多忙な毎日の中で、普段からの対策として、とるべき行動をきちんと実践したり、前もって漢方を飲み続けたりすることは、分かっていても、なかなか難しいものです。

そんな時にはとりあえず、何となくでもゾクッとしたら「葛根湯」、喉が痛くなり始めたら「銀翹散」を、すぐに飲むだけでも、風邪の発症が十分に防げるものと思われます。

感染症に対して、漢方薬が最も有効な期間は、潜伏期から感染初期だと言われています。

漢方薬は初動が早ければ早いほど、その抗ウイルス作用、免疫賦活作用、過剰な炎症を抑制する作用などを遺憾なく発揮して、あっという間に風邪を追い出してくれるということが、様々なデータからも証明されています。


「今は絶対に風邪を引けない」という時に、少しでもその兆候を体に感じることがあれば、すぐに症状に合わせた漢方薬を飲むことで、ぜひ、その効果を体感してみて下さい。




★カウンセリングについて★


気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。
さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。

あなたのこれからの過ごし方が変わってくるかもしれません。








詳しくは下記の「漢方薬相談」の画面をタッチして、予約内容を一度のぞいてみて下さい。
(※ネット予約に限らず、お電話でも、気軽にご予約下さいませ! TEL 092-733-7231)
                  ⇓

福岡市中央区天神2丁目11-3 ソラリアステージビルM2F(中2階)
TEL 092-733-7231
(株) 大賀薬局ライフストリーム  漢方カウンセリング (担当) 梅川



いいね 4
0

コメント

記事についてコメントする

ニックネームとコメントを
入力してください。

ニックネームを入力してください。

コメントを入力してください。

コメントを投稿する
梅川 哲朗

ご相談は私までお声がけください!



梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
所属店舗 ライフストリーム

ご相談の際は、店舗宛TEL092-733-7231までご連絡ください。
店舗の詳細はこちら



色んな症状を持ちながら診療では病気ではないと言われて悩むお客様方にお役に立ちたく、日々、中医薬診断の学びと実践に努めています。細かい症状などを伺って体質を判定し、お客様個々に合った漢方薬や市販薬の上手な活用法をご提案しております。お気軽にご相談下さいませ。

お問い合わせCONTACT