コラムCOLUMN
昼間はまだ、日差しが暑く感じる日もありますが、夜はずいぶんと肌寒くなってきました。
今は、こういった1日の寒暖差による影響で、かなり体調を崩しやすい時期でもあります。
こんな時に、いや、この時期に限らず、皆さんも一度は、「近々、大事な予定が入っていて、今は絶対に風邪を引けない」と、不安になったことはありませんか?
軽い頭痛や腹痛、ちょっとしたケガなどなら、市販薬で対処して、何とかその日を乗り切ることができるかもしれませんが、もし、風邪を引いてしまい、当日がピークだったりすると、とてもそれどころではなくなりますよね。
仕事での重要な会議や研修、プライベートで楽しみにしてた旅行やイベント等々、以前から準備や計画をしていたことも、全て台無しになってしまいます。
そうならないための効果的な対策について、今回は少し考えてみたいと思います。
まずは基本的な対策ですが
すでにご周知のこととは思いますが、まず何よりも、風邪に対しての抵抗力を上げるために、普段からとるべき行動としては
・何事も無理をせず、十分な睡眠時間をとり、疲れがたまっていれば、必ず休養を心掛ける。
・常に体を「冷え」にさらさない。加えて乾燥などを感じていれば、しっかり保湿ができる状況をつくる。
・座りっぱなしなどで血行不良にならないように、日々、適度に体を動かして、ストレスがたまった時には、自分なりの解消法や、緩和できる方法を見つけておく。
などといったことが主にあげられます。
こうした行動は、本来の体が持っている免疫力や自然治癒力を、きちんと機能させるための大事な取り組みとなりますので、この寒暖差の激しい時期には、改めて意識して生活するとよいでしょう。
また、風邪や感染症のウイルスの中には、手指消毒用のアルコール液では効果が見られないものも多いため、石けん等でしっかり手を洗うことも習慣づけておきましょう。
漢方を上手に使う
さらに、「漢方薬」を上手に活用することも効果的です。
風邪などの感染症の予防や対策の分野は、漢方が最も得意とする領域の一つです。
一般的な市販の総合感冒薬などの、「西洋薬」の場合は、熱や咳、鼻水等の、今あらわれている症状をしっかりと抑えて緩和していく、〝対症療法″が中心となり、病院を受診した際でも、ほぼ同様の観点から薬が処方されます。
それに対して「漢方薬」の場合は、一人一人の体質や、色んな風邪のタイプに合わせ、様々な生薬を配合した処方により、免疫力や抵抗力を向上させて、〝予防や根本治療″の観点を中心に、アプローチをしていきます。
加えて漢方薬には、食欲不振や下痢、倦怠感など、風邪に伴う体の不調も改善してくれるという特徴があります。
葛根湯だけじゃない!風邪薬の漢方薬とは
風邪の漢方と言えば、まず真っ先に思い浮かぶのが、最も有名な「葛根湯」だと思いますが、全ての人の、全てのタイプの風邪に、葛根湯を使えばよいわけではありません。
風邪対策の漢方薬の、使い分けのポイントを簡単にまとめてみると、以下のようになります。
「葛根湯」は、風邪の引きはじめに最も多い、ゾクッとするような〝寒気″を感じた時に、すばやく飲むと効果的な処方です。
寒気がやや強くて少し熱も高く、体の節々の痛み(関節痛)もあり、咳も目立つといった場合には「麻黄湯」が適しています。
また、日頃から冷え症で、特に足腰が冷えやすくて、体力がなく、風邪を引くと体の芯から冷えた感覚になる人には「麻黄附子細辛湯」、水っぽい痰や鼻水が出て、風邪を引くと顔が
むくみがちな人には「小青竜湯」が適しています。
一方で、寒気はさほどなくて、喉の痛みが強くて腫れやすく、熱が上がりやすいタイプには「銀翹散」や「駆風解毒湯」といった処方が適しています。
その他にも、ここには書き切れないほど、風邪対策にはたくさんの漢方薬が存在します。
ドラッグストアなどで、風邪には葛根湯と思い、安易に選んでしまうと、かえって体調が優れなくなったり、先に述べた漢方薬などが、体質には合わないことも多々あるので、購入の際には、専門家に自分のタイプをしっかりと伝えて、薬を選んでもらうことが大切です。
それから、近々大事な予定があるからと言って、まだ全く風邪の兆候すらあらわれていないのに、予防のために、上記のような漢方薬を毎日飲み続けたりすると、体のバランスが乱れ、体調を崩してしまうケースも多く見られます。
日々の備えとしては、免疫機能の活性や、生体防御反応を高める、〝人参″や〝黄耆″等の生薬を含む、「補中益気湯」「十全大補湯」「人参養栄湯」などの補剤系の漢方薬を、いつもきちんと飲んでおくことが、風邪や感染症の予防には適していると考えられます。
風邪をひきそうな気がしたら
多忙な毎日の中で、普段からの対策として、とるべき行動をきちんと実践したり、前もって漢方を飲み続けたりすることは、分かっていても、なかなか難しいものです。
そんな時にはとりあえず、何となくでもゾクッとしたら「葛根湯」、喉が痛くなり始めたら「銀翹散」を、すぐに飲むだけでも、風邪の発症が十分に防げるものと思われます。
感染症に対して、漢方薬が最も有効な期間は、潜伏期から感染初期だと言われています。
漢方薬は初動が早ければ早いほど、その抗ウイルス作用、免疫賦活作用、過剰な炎症を抑制する作用などを遺憾なく発揮して、あっという間に風邪を追い出してくれるということが、様々なデータからも証明されています。
「今は絶対に風邪を引けない」という時に、少しでもその兆候を体に感じることがあれば、すぐに症状に合わせた漢方薬を飲むことで、ぜひ、その効果を体感してみて下さい。
★カウンセリングについて★
気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。
さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。
あなたのこれからの過ごし方が変わってくるかもしれません。
詳しくは下記の「漢方薬相談」の画面をタッチして、予約内容を一度のぞいてみて下さい。
(※ネット予約に限らず、お電話でも、気軽にご予約下さいませ! TEL 092-733-7231)
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TEL 092-733-7231
(株) 大賀薬局ライフストリーム 漢方カウンセリング (担当) 梅川
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