コラムCOLUMN
夏の暑い日に、クーラーの効いた涼しい所にいて、初めは快適に感じていたにもかかわらず、徐々に冷えを強く感じ出して、寒くてたまらなくなったことはありませんか。
多くの人が同じ場所にいる事務所や商業施設、あるいは、会議室や研修会場などでは、自分の都合で、勝手に室内の温度を調節することもできないので、とても辛い思いをしますよね。
「人によって体感温度が違うから仕方ない...」と言って、かたづけてしまう人もいますが、あまりにも頻繁に感じてしまうようであれば、クーラーによる室温の温度差に、身体が対応できない不適応症候群、いわゆる「冷房病」になっていることも疑われます。
どんな人が冷えを感じやすいか
同じ環境下の中でも、こうした極度な寒さを感じてしまう冷房病傾向にある人は、体温調節を担っている自律神経のバランスが乱れ、すぐに寒暖差に対応できなくなっていることが、その主な原因だと言われています。
では具体的に、どんな人が自律神経が乱れやすく、また冷えを感じやすくなるのか、以下にいくつか例をあげてみたいと思います。
◎『冷房が効いた中でも、冷たい物をよくとる人』
冷えた室内で時々ならまだしも、いつも同じように冷たい物ばかりをとっていると、体を内と外の両方から、かなり冷やしてしまう状況になるため、極度に寒さを感じやすくなります。
◎『つねに汗をかかない環境にいる人』
暑い季節に、常に汗をかかない環境で過ごしていると、汗腺に異常をきたす上に体温を調節する機能も鈍り、体温が急激に下がるなど、冷えを感じやすくなります。
また、汗によって促される、乳酸等の疲労物質の排出も、できない状態が続いてしまうため、疲れや倦怠感もあらわれ出してきます。
◎『屋内外を行ったり来たりしている人』
涼しい屋内に長い時間いた後に、猛暑の屋外に出るなど、温度差の激しい所の出入りを繰り返していると、自律神経のバランスが乱れて、本来、体内に備わっている体温調節の機能がうまく働かなくなってしまいます。
さらに、外で汗をびっしょりかいた状態で、室内に入って来るようなことがあれば、当然のごとく体は冷えを強く感じてしまいます。
◎『デスクワークが多い人』
会社や事務所などで、机に座ったままで、ずっと同じ姿勢をとり続けていることが多い人は、血行不良が起こりがちになり、体が冷えやすくなります。
◎『高齢者・幼児・女性』
一般的な成人男性に比べて、高齢の方や乳幼児、女性などのほうが、体に熱を生み出す筋肉の量が少なく、自律神経の働きもやや不安定なため、冷えやすい傾向にあります。
とるべき対策や心掛けることは
冷房ですぐに冷えてしまう人は、次のようなことを、日頃から心掛けて対策をとりましょう。
1.カーディガンやひざ掛けになる物など、冷えたらすぐに羽織れるものを準備しておく。
2.冷房の調整ができる自宅等では、外気との差が5~7℃くらいまでの温度に設定にする。
それでも暑く感じる時は、扇風機を直接当てずに室内で回して、冷気の循環をはかる。
3.ウォーキングやストレッチ、無理のない範囲での筋トレなど、適度な運動を習慣づける。
4.涼しい室内では、温かい物や常温の物も意識的にとり、体の中まで冷やさないようにする。
5.入浴時にはシャワーで済ませず、ややぬるめの湯船にゆっくり浸かり、体の芯から温める。
6.暴飲暴食をさけ、十分な睡眠をとり、規則正しい生活で自律神経のバランスを安定させる。
漢方薬で体質を整える
その他にも、それぞれの冷えやすくなる理由に合わせ、「漢方薬」を使って、体質を整えていくことも効果的な対策の一つです。
例えば、普段から自律神経のバランスが乱れがちで、体温調節が上手くできないタイプなら「柴胡桂枝乾姜湯」や「加味逍遥散」、体の中も冷えていて血行も悪いタイプなら「五積散」、他にも「人参湯」、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」、「麻黄附子細辛湯」などなど....。
漢方薬は、その人がすぐに寒さを感じてしまう原因の改善に働きかけてくれます。
様々な不調があらわれてくる前に
〝以前は、こんなに冷房が寒いと感じることはなかったのに″と思っている人ほど、長年の生活習慣や加齢による、体質の変化が懸念されます。
冷えやすい体質がさらに進行すると、頭痛、肩こり、めまいなどといった「冷房病」の症状があらわれはじめ、だんだんと重症化する可能性もでてきます。
ずっと気になっていた人も、何となく感じていた人も、決してかなり冷えやすい体質だからと思うことにとどまらず、その原因をきちんと認識して、早めの対策に取り組みましょう。
★カウンセリングについて★
気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。
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(株) 大賀薬局ライフストリーム 漢方カウンセリング (担当) 梅川
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