コラムCOLUMN
なかなか終息の見通しが立たないコロナに対して、私たちは今もなお、感染防止のために、様々な対策に取り組む日々を送っています。
あらゆる場所でのマスクの着用、徹底した消毒や手洗い、こまめな換気、人と人の間に距離を設けたり、仕切り板を立てたり、集まる人数や時間の制限をしたり、予防のための積極的なワクチンの接種を行ったりetc….。
現在は、オミクロン株の流行により、重症化率こそやや低いデータが出ているものの、その短期間での、今まで以上のより強い感染力が、大きな懸念を生じています。こうした、いつどこで感染の危険にさらされるか分からない状況の中で、私たちはこれ以上、どんな行動を心がけ、どんな対策を講じたらよいでしょうか。
(※昨年1月のコラムで、そのことに少し触れておりますので、ご一読頂ければ幸いです。)
《2021年1月22日投稿》『コロナ禍が続く中、私達に今できる抗ウイルス・感染症対策』
加えて出来ることがあるとすれば、それはある意味、もっとも重要なことかもしれませんが、自分自身の本来の「免疫力」を高めることにあると思われます。
免疫力を上げるために
「免疫力」は、簡潔に言えば体に備わっている防衛能力のことであり、ウイルスや細菌等の病原体や異物が体に侵入するのを防ぐ力、あるいは、傷ついた組織を修復する力のことです。また免疫には生まれつき体に備わっている「自然免疫」と、過去に自然免疫が働いた結果やワクチンなどをもとに抗体をつくり外敵と戦う「獲得免疫」とがあり、2段構えでその力を発揮してくれるシステムになっています。
同じ状況下でコロナに感染する人としない人、また、感染した人の濃厚接触者としてほぼ同じ条件で認定され、検査で陽性と出る人と陰性と出る人の違いは、決して一概には言えませんが、この免疫力の差が大きく関わっているように感じられます。
以前のコラムでもお話しましたが、免疫力を高めるためには(詳しい解説は割愛しますが)、主に、次のような習慣を意識して行動することがよいとされています。
◎十分な睡眠をとる・・・・・・・・日々、できるだけ決まったリズムで十分な睡眠をとる。睡眠中
は副交感神経が優位になり、リラックス状態が保たれて免疫細胞が活発になる。
◎適度な運動をする・・・・・・・ウォーキングなどの軽めの有酸素運動を継続的に行う。近年、免疫系の細胞を刺激してくれる物質が骨や筋肉から作られることが分かってきているため、適度な運動が効果的と考える。
◎ストレスをためない・・・・・・過度なストレスや長期にわたるストレスは、自律神経のバランスを乱して、免疫機能を低下させてしまう。
◎体温を高める・・・・・・・・・・・・体が冷えて血流が悪くなると免疫細胞は全身に行き渡らない。
◎腸内環境を整える・・・・・・・・免疫細胞の60%~70%が腸管に集まっていると言われている。努めて腸内バランスを整え、善玉菌を増やす食事を心掛ける。
漢方薬の有用性
また、それらの生活習慣に合わせて、上手に〝漢方薬″を活用することで、さらなる免疫力の向上が期待できます。漢方薬は、免疫細胞の活性化を促す効果があることに加え、様々なウイルスに対し予防機能や防衛機能に優れた側面を持ち合わせていると言われています。
免疫力の向上の面から見た代表的な処方としては、前にも紹介させて頂いた、厚生労働省のホームページの中にも記載されている「補中益気湯」や「十全大補湯」、さらには、生薬の組み合わせから見ると「人参養栄湯」や「加味帰脾湯」といったものなどがあげられます。
そして、予防や、早い段階での治療の観点などからは「麻黄湯」、「銀翹散」、「小柴胡湯加桔梗石膏」、「麻杏甘石湯」、「板藍根」、「香蘇散」、「藿香正気散」、「荊芥連翹湯」等の漢方薬が、医療や医薬品に携わる現場において、よく処方されているケースがあるようです。
ここでは一つ一つの漢方薬についての説明は省かせて頂きますが、それぞれ使用する上で〝どういう状況で、どんな体質の人が、どう使うのか″が大きな考察のポイントになります。
またそれゆえに改めて、その薬を選んで処方や販売を行う立場においても、様々な角度からの診断や、使用する明確な理由の説明が、たいへん重要なものだと考えます。
どんな感染症が流行り出したとしても
これからも世の中には、オミクロン株の変異株や、また先々で、新たな感染症が広まりだす可能性が十分に想定されます。病原体の強さよりも、自分自身の免疫力の強さが上回るように、私たちは、日頃から食事のバランスや生活習慣を整えることに努め、マスクや手洗いなどの今までの予防法を徹底し、ワクチンや漢方薬も含めそれぞれの体質にあわせた対策を講じることが大切です。
過去の様々な感染症においてもそうだったように、これからどんなウイルスが流行り出したとしても、自分自身の免疫力をしっかりと整えて高めていくことが、感染のリスクを低下させる手段につながることは確かです。
★カウンセリングについて★
気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。
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(株) 大賀薬局ライフストリーム 漢方カウンセリング (担当) 梅川
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