コラムCOLUMN
ドーピングとは
ドーピングとは「スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為」のことです。男性ホルモンやステロイドを意図的に使用したりすることだけをドーピングと呼びがちではありますが、それだけではありません。意図的であるかどうかに関わらず、ルールに反して能力を高める「方法」や、それらの行為を「隠蔽」する行為を含めてドーピングと呼びます。
ドーピングの種類についてのお話
ドーピングの対象となる医薬品は多岐に渡ります。
おそらく皆さんが想像するのはステロイドと呼ばれる薬物が多いのではないでしょうか?
男性ホルモンを増強するステロイドは当然違反となりますが、それ以外にもたくさんの医薬品がたくさんあります。今回はその一例を紹介しようと思います。
・ステロイド製剤:ステロイドといってもその内容は多岐に渡ります。ステロイドと言われるものの全てがダメというわけではありません。そもそも男性ホルモンというのは全ての人の体内で作り出されるものになります。体の外から補充したり、男性ホルモンから女性ホルモンに変換する酵素の働きを阻害するものもドーピング違反となります。
・ベータ刺激薬:代表的なものとしては喘息の治療などに吸入として使用される医薬品になります。ベータ刺激薬は気管支を拡張することにより呼吸が楽になることで競技力が高まることからドーピング違反となります。
・アルゴン:アルゴンは希ガスとも言われるガスの一種です。このアルゴンガスは低酸素誘導因子と言われる物質を活性化し、血管生成などを促すことで、全身の酸素供給能力を向上し競技力が高まるのでドーピング違反となります。
・利尿薬:利尿薬は尿を出しやすくする効果があります。直接的に競技力を向上させるとは思えないのですが、摂取した禁止物質を隠蔽する目的で使用することがあるのでドーピング違反となります。
上記以外にも、インスリンや麻薬など様々な物質があります。また、内服、吸入、静脈注射など、体内に取り入れる方法によって違反となる場合もあります。
また、治療上、どうしても違反となる物質を使わないといけない場合もあります。その場合は特例措置の申請等が必要になります。
薬物だけじゃない!こんなことでも違反なの?
ドーピングは禁止物質を使用したら違反になるのは容易に想像できるかと思います。しかし、実際に体内から違反物質が検出されない場合でもドーピング違反となる場合があります。
これから示す11項目のうち1つでも該当すればドーピング違反となります。
1) 採取した尿や血液に禁止物質が存在すること
2) 禁止物質・禁止方法を使用または、使用を企てること
3) ドーピング検査を拒否または回避すること
4) ドーピングコントロールを妨害または妨害しようとすること
5) 居場所情報関連の義務を果たさないこと
6) 正当な理由なく禁止物質・禁止方法を持っていること
7) 禁止物質・禁止方法の不正に取引し、入手しようとすること
8) アスリートに対して禁止物質・禁止方法を使用または使用を企てること
9) アンチ・ドーピング規則違反を手伝い、促し、共謀し、関与する、または関与を企てること
10) アンチ・ドーピング規則違反に関与した人とスポーツの場で関係を持つこと
11) ドーピングに関する通報者を阻止したり、通報に対して報復すること
ドーピングを企てたりするだけでも違反となります。また、違反の種類によっては、アスリート本人のみならず、コーチやチームドクターなどのサポートスタッフも違反に問われることがあります。
アスリート本人は当然気をつけている内容かとは思いますが、アスリートに関わる全ての人も気をつけるようにする必要があります。
ドーピングに関して相談してみたい時は
まずはスポーツファーマシストに相談してみましょう。
連絡先が知りたいという方はネットの検索エンジンで「スポーツファーマシスト 検索」と入力していただければ検索ページが出てきますので、参考にされてみてください。
もちろん、私が在籍している店舗に直接連絡していただいても大丈夫です。
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