コラムCOLUMN
コロナ禍で増える心への負担(コロナ鬱)
非常勤講師をしている専門学校の学生さんから休憩時間に健康相談を受けています。
先日もある学生さんから女性にありがちな症状の相談をうけましたが、昨年までと違う何かを感じました。
たいてい若い女性は、ダイエットのし過ぎ、甘いもの、スナック菓子など食生活の問題、夜遅くまでアルバイトや友達と遊んだりで睡眠不足等不規則な生活、開放的なファッションによる体の冷え、など私のようなおばちゃん世代が諭すと説教になってしまう、何らかの乱れを自分で引き起こしていることが原因で体の不調を訴えることがほとんどです。が、今回の学生さんは規則正しい生活、栄養バランスを考えた食事、間食もほとんどなし、学校まで歩いて通って運動不足予防、ファッションも健康的と、自己管理がしっかりできているのに不調がある。健康診断も問題ない。どうしてなのかと首をかしげました。
昨年との大きな違いは、社会全体のWITHコロナな「新しい生活様式」
「新しい生活様式」が不調の原因なのではなく、先行き不安な今の世の中に不調の原因があるのでは?
毎日、学校で勉強し、友達とたわいのないことで盛り上がり、小さなトラブルはあっても追いつめられるようなストレスはない。就職をし、来年からは生活が様変わりするであろう学生さんにとって、近い未来が希望に満ちた輝くものであるはずのところにいつ収束するかわからないコロナが心に影を落としていく。毎日の小さな不安が心に積み重なって、自律神経に影響し不調につながっているのではないか。
店頭でも不安を抱えたお客様からご相談を受けることが多いです。
「熱がある。福岡に就職してきたばかりで一人暮らし。コロナだったらどうしよう。」
在宅勤務が多くなり、たまにかかってくる電話だけが人との触れ合いで、ネットやTVのニュースで繰り返し聞かされるコロナの情報に不安でいっぱいのお客様。堰を切ったように、様々なことをお話されます。久しぶりに対面で自分の思いを声に出したのが良かったのか、30分ぐらいお話を伺ったところ、「安心しました。」と、笑顔で帰って行かれました。
昨年であれば「発熱」のお客様はお薬を紹介しただけでこちらが症状、原因からのアドバイスを差し上げようとしても商品を手にしてすぐレジに行ってしまっていたのに。
コロナ罹患への恐怖が、心をむしばんでいる。。。
本来、人生で一番希望に満ち溢れ、心が健やかであろう若い世代が、不安で心身のバランスを失っている。
働く世代の私たちも厳しい経済状況の中で自分の暮らしを支えていくことへの不安を少なからず感じています。
高齢者の方、疾患をお持ちの方はなおさらです。
情報に埋もれることなく、堅実に対策を
罹患しない対策をしっかりとる。報道されることを正しく冷静に受け止め、そして自分ができること、すべきことをちょっとずつでもしていくことで充実した1日を過ごし、心のバランスを取っていくこともWITHコロナな今の時代で重要なのではないでしょうか。
コロナとの戦いで守るのは体だけでなく心も。不安になる情報の中にうずくまるのではなく、自分の1日を大切に過ごす。
不要不急の外出を控える今、ドラッグストアにいてお客様のお役に立てるチャンスは少なくなっていますが、ほんの些細なことでもどこか不調があるときは、店頭でぜひお声をおかけください。お薬をご紹介するだけが私の仕事ではありません。少しでも心が軽くなってお帰り頂けたら。薬剤師として医療人として地域の皆様の心身の健康を保つお手伝いをさせていただけたら。皆様の不安をちょっと軽くし、笑顔を見せていただくことが、私の充実した一日になるのです。
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