コラムCOLUMN
日本人が持つ高い能力、立ち直る力「レジリエンス」
失敗して落ち込んだり、壁にぶつかり挫けたりしたときに、その状態から立ち上がりまた前に進む。誰もが経験したことがあると思います。この様な時に働く、心のバネのような立ち直る力を「レジリエンス」というそうです。
2020年のセンター試験の国語にこの「レジリエンス」が福祉の基準ともなる考え方として出題されていました。福祉に関する内容とのことで興味をもって調べた所、iPS細胞で有名な山中教授が恩師から教わった言葉でもありました。
「レジリエンス」とは人が試練や困難に遭遇したとき、その状況を受け止め、さらにそれを乗り越えようとする前向きな力に変えていく力であり、もともと生まれつき持っている力ではなく、トレーニングで鍛えることができる力のことで、人が持つ強靭さであり、知恵でもあります。たくさんチャレンジしてたくさん失敗し、それを乗り越えることで強くなっていくものです。そういった過程で、それを相互に強めていくためのエッセンスは何かというと、それは「感謝や思いやり」だそうです。
漫画の主人公みたいですね。私は鬼滅の刃の炭治郎を思い浮かべました。強くなれる理由…なるほど、まさに炭冶郎はレジリエンスの鬼でした。
今回私がこのテーマを取り上げたのはまさしく今こそ、人と人、人々と企業、日本社会のレジリエンス能力を発揮し、この未曾有の状況に適応し、いろいろな意味で「生き延びる」必要があると思ったからです。日本は恵みが多い豊かな国である反面、現代に至るまでに多くの災害を始め、国家を取り巻くさまざまな危機や苦難を経験し、その逆境からその度に立ち直り、時代や環境に適応してきました。そうして培われた国家、日本人の民族性としての知恵と適応能力のポテンシャルは、相当に高いものであると私は思っています。
With コロナ時代を見据えた、わたしたち薬局のチャレンジ
今回、新型コロナウイルスが世界にもたらした影響は計り知れません。見通しの立たない不安や、やり場のない苛立ちの中での生活を余儀なくされ、つらい思いをされている方々は数え切れない程おられます。今後、医療業界はもとより、さまざまな業界が課題に直面する中で徐々に変化し、持ち前の「レジリエンス」能力を発揮してこの難局に適応していくことでしょう。
その中で、わたしたち薬局としての使命と新たな進化へのチャレンジはもちろんあります。
オンライン(*1)での診察へ向けての取り組み、かかりつけ薬局(*2)の推進、住み慣れた地域での在宅、終末期の在宅医療、セルフメディケーション(*3)の相談、それらの広がりで見えて来る暮らしの変化への対応、生活習慣病(*4)やフレイル対策(*5)など地域への健康サポート活動、必要以上に多くの薬剤が処方されている状態(ポリファーマシー)の解消など、もっともっと出来ることはないか…可能性と課題はいっぱいです。私たちはもっと頑張らないとですね!
私たち人間は「レジリエンス」という強靭なバネのような回復力と知恵を持っています。それを意識しながら、新型コロナウイルスが存在する世界を生きる「withコロナ時代」を可能な限り健康で元気に過ごしていく工夫をしていきましょう。
そのために是非私たち薬局にご相談ください。いつでもお待ちしております。
*1オンライン診察
スマートフォンやタブレットなどを用いて、病院の予約から決済までをインターネット
上で行う診察・治療方法。医院に足を運び、診察してもらう方法を「対面診療」と呼び、ビデオ通話のように情報通信機器を通して診察する方法を「オンライン診療」と呼ぶ
*2かかりつけ薬局
どこの薬局を利用するかは、患者さんの自由ですが、いつも利用する薬局が決まっている。その薬局のことを「かかりつけ薬局」といいます
*3セルフメディケーション
自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること
*4生活習慣病
「健康的と言えない生活習慣」が関係してしている病気のこと
*5フレイル対策
フレイルとは、加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下した「虚弱」な状態を指し、健康な状態と日常生活で介護が必要な状態の中間の状態のこと
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